プロヴァンス滞在記

43.モンマジュール修道院 (Abbaye de Montmajour)
まずは、入場パンフの抜粋から・・・。

モンマジュール修道院は、アルルの入り口の、湿地に囲まれた岩盤の上に位置し、ベネディクト派の僧によって948年に始まった。

12世紀に始まった『聖十字架のパルドン祭(注1)』は、いぜん増えつづける信者たちを惹きつけ、その巡礼地であった時期は たくさんの贈与のおかげで、修道院は急速に繁栄し、領地を広げた。

また、分院のネットワークを置くことによって、Isere(イゼール)谷から地中海にかけて、その影響力を進歩的に広げ、分院の数は13世紀末には56を数えた。

100年戦争の終わりには傭兵団や武装集団からの略奪を防ぐ為に、僧院は要塞化された。

その後、16世紀の宗教戦争の時代にはプロヴァンスの議会は、兵士による僧院の占拠を命じた。

17世紀初頭、改革派修道士のサン=モール教団の綱紀粛正によって修道院は立ち直った。

フランス革命後、1791年に建物は国有財産として売却され、一部分はアルル市に買い取られた。

1840年、プロスペル・メリメの働きかけによって歴史的建造物にリストされ、1872年には建築史家のアンリ・ルヴォワによって復元された。

修道院は1943年からは国有財産になり、一般公開されている。(入場パンフより)

注1 : 原文は pardon de la Sainte-Croix。11世紀初頭にこの修道院に聖遺物Sainte-Croix:聖十字架(真の十字架)がもたらされ、それが巡礼対象になった。


ポン・ド・ローム塔の上からアルル方面の眺め。

ポン・ド・ローム塔。まるでお城のような造り。
ちなみに、ミシュラン・グリーンガイドでは
院長の塔(tour de l'Abbe)と紹介されている。

この修道院で特に素晴らしいのはノートルダム教会(地下礼拝堂と上の礼拝堂)、回廊(cloitre)、ポン・ド・ローム塔(tour Pons de l'Orme)。サン=ピエール礼拝堂(chapelle St-Pierre)だろう。

上の礼拝堂はプロヴァンスで最大のロマネスク様式の建築物らしい。確かに言われてみれば、プロヴァンスでこんな大きなロマネスク様式礼拝堂は見たことが無い。

しかし残念ながら、多くの部分は19世紀以降の再建だ。


回廊(cloitre)にて
ポン・ド・ローム塔(tour Pons de l'Orme)は、1369年に造られた。
高さ26m、3階建て。銃眼・石落とし等の仕掛けがあり、修道院の防衛上重要な建造物だった。
屋上からの眺めが素晴らしい。

ポン・ド・ローム塔の下にはお墓がいくつか掘られているのが見える。

昔の人もこういった、ご利益がありそうな場所で永遠の眠りに就きたいと願ったのだろう。



サント=クロワ礼拝堂 (chapelle Sainte-Croix)

この巡礼地で眠りにつく人たちを守る為に造られたのがサント=クロワ礼拝堂だ。

建造されたのは12世紀。モンマジュール修道院から約200mフォンヴィエイユ寄りの岩盤上に建っている。
プロヴァンスでは珍しく正十字架形の礼拝堂だ。

この礼拝堂の周りには、ぐるっと取り囲むように何重にもお墓が掘られている。
ここに埋葬された人たちは果たして願っていた天国へは行くことが出来たのだろうか?

今では岩盤に掘られた無数の墓穴しか残っていないその風景が、見る者に妙な切なさと虚しさを感じさせる。

(2002/10/24作成)
サント=クロワ礼拝堂の周囲には
お墓の跡がびっしりと残っている。






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