プロヴァンス滞在記

14.ヴォークリューズの泉
ここはこの辺りでは、かなりの観光地である。

ヴォークリューズの泉(Fontaine−de−Vaucluse)といえば、まず思い出すのは、ここで隠遁生活をした詩人ペトラルカと、『ミレイユ』(フレデリック・ミストラル著)の文章か。

『ミレイユ』はストーリー自体は、悪い言い方をしてしまうと陳腐なのだが、プロヴァンスの風土・習慣・風景が、あちこちにちりばめられていて、とても面白い。 詩的な文章も素晴らしい。

和訳(注1)しか読んだことがないのだが、これをプロヴァンス語で読めたら ほんとに素晴らしいのだろうなあと、本を手にするたびに思う。


この川の奥、大岩壁帯の下に泉はある


ソルグ川沿いに歩いていくと、高差300メートルはありそうな大岩壁帯に突き当たる。

その下、源泉は一見小さな池なのだが、そこから垂直に300メートルだったか、400メートルだったか縦穴が伸びていて、はるか地下の岩盤から水が湧き出している。ここからいきなりソルグ川が始まっているわけだ。

私は増水時には来た事がないのだが、売られている絵葉書を見ると、土手から水が溢れ出している。
いちど増水時の泉を見てみたいものだ。



奥の壁の白い横線が増水時の水位らしい。


『ミレイユ』の中で、増水時には、いちじくの木まで水が溢れると出てくるが、岩壁側の色が変わっている部分に、ちょっと貧相な木がある。 これがそうなのだろうか? 枯れてしまったという話もあるのだが・・・。

( 2001/03/18 作成 )



注1) 岩波文庫から和訳が出ています。
『プロヴァンスの少女』 フレデリック・ミストラル 作、杉 富士雄 訳

こんな小さな泉口だが
じつは、とてもとても深い



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