プロヴァンス滞在記   − 巡礼地にて −

6.ファティマ (FATIMA)
ファティマはポルトガル・リスボンの北北東、約100kmに位置する。
ファティマと聞いて誰もが連想するのは、聖母出現と3つの予言だろう。

中心人物は、ルシア・ドス・サントス(当時10歳、他2人のいとこ)、フランシスコ・ペトロ(当時9歳、ヤシンタの兄)、ヤシンタ・マルト(当時7歳、フランシスコの妹)。

事件は1917年5月13日に起きた。羊の放牧をしていた3人の前に、聖母が現れ『世界平和を祈るように』『これから6ヶ月間、同じ日時にここに来るように』と告げた。以後、計6回、彼らの元に聖母が出現する。

バシリカ聖堂
早朝のため、とても静か。


その間に聖母が彼らに告げた内容は、『ロザリオの祈りをするように』『ヤシンタとフランシスコをまもなく天国に連れて行く』『10月に奇跡を行う』『ここに聖堂を建設するように』といったもので、後に3つの予言と言われるものもその間に伝えらた。

10月、6回目のご出現の際に起きた『奇跡』は、巨大な光の球が出現し10分間に渡って動き回るというもので、ファティマ周辺だけでではなくヨーロッパ各地で異常現象が確認されている。

この一連の事件に対して、ローマ法王庁は13年後の1930年10月13日、司教書簡『神の摂理』にて神による奇跡と正式に認定した。


出現の礼拝堂に飾られているマリア像。


その後の3人だが、聖母の予言通り、フランシスコは最後の『御出現』から1年半後の1919/4/4に、前年秋に患ったインフルエンザが原因で没し、ヤシンタは兄と同時期に患ったインフルエンザから肋膜炎を起こし1920/2/20に没した。

ルシアは修道女となって現在もコインブラのカルメル会修道院にいる。(※注)

3つの予言のうち1つ目は第1次世界大戦の終了と第2次世界大戦の勃発、2つ目はロシアの台頭とその脅威を予言したと公表されたが、3つ目は長い間ローマ法王により封印され、2000年5月にようやく一部が1981年の法王暗殺未遂をさすと発表された。全貌はいまだ明かされていない。


事件当時はこのあたり一体は草原帯だったらしいが、現在は祈りの場としてきれいに整備されている。

聖母出現地としてはルルドとよく比較されるが、ルルドと決定的に違うのは、ルルドは救いを求める場としての雰囲気が濃厚なのに対し、ファティマは現実的な「ご利益(※)」よりもむしろ、祈りの場として徹底していることだろう。 お土産物屋も林立していない。
最初に聖母が出現した場所には『出現の礼拝堂』が静かに建ち、マリア像が飾られている。


※広場中央のキリスト像の下から出ている水が『奇跡の水』と認定されてはいる。


(2003/10/10作成)
出現の礼拝堂。
早朝から、ミサを待つ信者たちが・・・。




(※注)追記
※ルシアは2005年2月13日、心不全により97歳で死去した。 コインブラのカルメル会墓地に埋葬されたが、1年後に遺言に従い、ファティマのバシリカ聖堂に移された。(追記:2007/03/25)



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